★ご注意下さい★在庫のある商品とお取り寄せ商品を同時にカートに入れて決済された場合、「商品がすべて揃ってからの発送」となります。お急ぎの場合は在庫のある商品とお取り寄せ商品を分けてご購入下さい。
※在庫数の記載がない商品は受注生産またはお取り寄せとなります。
※決済完了後またはご入金確認後すぐに制作を発注いたします。そのため原則として決済および入金後のキャンセルは受け付けておりません。ご了承下さい。
■原題または洋題 :Ballate,le scarpe rosse
■作曲者 :會田瑞樹(Mizuki Aita)
■演奏時間 :約7分00秒
■出版社 :Golden Hearts Publications
■参考音源:You Tube
■楽曲について
世界初演
2021年3月21日 札幌市豊平館
佐藤晴睦ヴィブラフォン・ソロ・リサイタル
ヴィブラフォン独奏:佐藤晴睦
作品について
2017年の暮れ、北海道教育大学の渡部謙一先生からレッスンをしてほしい生徒がいると連絡をいただいた。半信半疑だった僕の元に、翌年、佐藤晴睦さんは東京までやってきた。
「僕のレッスンはきっかけにすぎない、東京まで来ているのだから、僕をダシにして、美術館や演奏会、人にたくさん会って、見聞を深めてほしい。」確か最初にそれを伝えたと思う。その言葉通りに、彼は東京で様々な人と出会い、時にはイタリアまで赴き、見聞を深めていった。僕よりもずっとたくましく成長した。
そんな佐藤さんのヴィブラフォン・ソロ・リサイタル開催の報を聞きつけ、そのお祝い、さらに僕自身のヴィブラフォン演奏を通しての経験を作品として昇華したいと思い書き進めた。
この作品におけるテーマは次の7つ。
・ 本居長世作曲の《赤い靴》。
・ アンデルセンの童話《赤い靴》。
・ A.ヴィヴァルディ作曲の《La Folia op.1》。
・ 中村高寛著『ヨコハマメリー 白塗りの老娼はどこへいったのか』(河出書房新書刊)。
・ 二本バチの可能性。
・ ヴィブラフォンという楽器の限りない魅力。
・ 佐藤晴睦さんの赤い靴が踊り出すこと。
この作曲もまたきっかけにすぎない。佐藤晴睦さんはきっと、僕の想像をはるかに超えた演奏を手掛けてくれることを確信している。
この作品を、佐藤晴睦さんに献呈いたします。
(會田瑞樹)
初演時のプログラムノート
佐藤晴睦さんのリサイタルのために作曲。常々、本居長世の童謡《あかいくつ》の儚さに心惹かれていた。そこにヴィヴァルディの《ラ・フォリア》が遭遇。横浜に生きた「ハマのメリーさん」の道行がそこに重なり、アンデルセンの赤い靴の物語のように永遠に踊り続ける旋律の回転を描く。
本日は佐藤晴睦さんの門出の日である。その命尽きるまで、永遠に奏で続ける音楽家として活躍してほしいという願いを込めて。(2021.3.21)
演奏上の注意
・ テンポは奏者の任意であるが、おおよその目安は以下の通りである。作品は「ラ・フォリア形式」によって紡がれているため次第に焦燥感を持って駆け抜けて行くことが望ましい。
1. Adagio(四分音符=70 前後)
2. Andante(四分音符=80 前後)
3. Allegro(四分音符=100 以上)
4,5,6,7,6,8 以降アレグロをキープし、自由にアチェランドをかけることも推奨される。
9.Adagio(四分音符=70 前後)
10.Vivace(四分音符=100 以下、ここではベンド奏法による音程の変化を聞かせることに重きを置く。)
11.Allegro(四分音符=120 以上)
12.Larghetto(四分音符=40〜50、曲中最も遅く)
13,14 Allegro(付点四分音符=100 以上)
15.Adagio(八分音符=100 前後)
16.Allegro(即興的なテンポの変化を推奨する。伸縮も自由。)
17,18,19,20 as fast as possible(可能な限り早く。)
Coda しみじみと。長調の響きを感じるように。
・157,158,159 小節について
156小節のすべての音をペダルで伸ばしたまま、157,158,159 小節に記載されている音は弾かずに、音を止める。160 小節目で響きの変化をしみじみ楽しんだのち、161
小節目に入る。
・ソロコンテストなど、規定時間のあるものなどは自由にパーツを組み合わせることも許容される。
(2021.3.23 會田瑞樹)
■Golden Hearts Publicationsより
--
■編成 :
Vibraphone
會田瑞樹(Mizuki Aita)
打楽器奏者。1988年宮城県仙台市生まれ。幼少よりヴァイオリンを照井勢子氏に師事。
12歳で打楽器を志し、佐々木祥、星律子、有賀誠門、藤本隆文の各氏に師事し基礎を学ぶ。
宮城県仙台第二高等学校を経て武蔵野音楽大学において吉原すみれ、神谷百子の両氏に師事。2014年武蔵野音楽大学大学院修士課程修了。
2010年日本現代音楽協会主催第9回現代音楽演奏コンクール”競楽?\”において大会最年少ファイナリストとしてデビュー、第二位を受賞。 「憑依型の演奏(西耕一氏)」と評されるなど話題を集めた。
2011年6月にはサントリーホール主催レインボウ21「打楽器音楽、その創造と継承」公演において総合プロデューサーと演奏者の二役を担い、行動する演奏家としての姿勢を示した。その後、會田のそれらの姿勢を見守ってきた打楽器奏者・高橋美智子氏より、長年女史が使い続けてきた
Deagan 社ヴィブラフォンを譲り受ける。それをきっかけにヴィブラフォンの魅力の更なる開拓を求めて 2012 年ヴィブラフォンソロリサイタルを初開催。
以降、打楽器・ヴィブラフォンのための新たな魅力の追求を活動のテーマとして、 これまでに湯浅譲二、間宮芳生、末吉保雄、水野修孝といった巨匠世代から、権代敦彦、山内雅弘、国枝春恵、木下正道ら中堅世代、薮田翔一、白藤淳一、坂田直樹、佐原詩音をはじめとする若手世代と幅広く協働して次々と自らのリサイタルで新作初演を行い、その数は現在200作品を超える。
加えて、演奏家としての独自の目線からの作曲活動も近年活発に行い、2019年には日本作曲家協議会主催:第十回JFC作曲賞に入選を果たすなど、その活躍の幅を広げている。