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■原題:VOX
■指揮者:
イヴァン・メイルマンズ (Ivan Meylemans)
テイメン・ボトマ (Tijmen Botma)
フリート・ドッベルスタイン(Fried Dobbelstein)
■演奏団体/演奏者:ロベルト・フォス(Robbert Vos)(ユーフォニアム)
ブラスバンド・スコーンホーフェン (Brass Band Schoonhoven)
-- (Fanfare 'Psalm 150', Dinxperlo)
-- (Koninklijke Harmonie 'Oefening & Uitspanning', Beek en Donk)
■レーベル:自主制作
■発売年:2017年
■当店に在庫がない場合の納期目安:約1〜2週間ほどで入荷予定
■WBP Plus!レビュー
オランダのユーフォニアム奏者、ロベルト・フォス氏(Robbert Vos)の自主制作CD(2017年)です。
まずはフォス氏の紹介をしましょう。ロベルト・フォス氏は1986年オランダ生まれ。
ジョー・デルノイ(Jo Delnoye)でフリューゲルホルン奏者として音楽のキャリアをスタートしましたが、数年後にユーフォニアムに転向しました。
2004年、ティルブルフ(オランダ)のフォンティス音楽大学でピート・ジョリス氏(Piet Joris)にユーフォニアムを師事しました。彼はSolo
Playing、Teaching、Chamber Musicのコースを履修しました。同時に、吹奏楽とブラスバンドの指揮法をハーディ・メルテンス氏(Hardy
Mertens)に師事しました。 2008年の春、両方の試験に合格しています。
2008年、ユトレヒトのアカデミー・オブ・ミュージックに入学し、引き続き吹奏楽とブラスバンドの指揮法をダニー・オースターマン氏(Danny Oosterman)に師事しました。
2010年に、フォス氏は再び試験に合格しました。このコースを受講する間、引き続きユーフォニアムをベルナルド・ベニアス氏(Bernard Beniers)に、トロンボーンをアルベルト・ザイダーダイン氏(Albert
Zuiderduin)に師事しました。
フォス氏はスターリング社(Sterling)のユーフォニアムである「ヴィルトーゾ」のアーティストで、Kurun&Gilbertのマウスピース(サイズ3.5D)で演奏しています。
彼はしばしばゲストプレイヤーやソリストとしてヨーロッパ各地に招聘され、定期的にローブラスのクリニックを提供しています。 これまでに、例えば、アメリカ、香港、ポルトガル、ノルウェー、そしてイギリスの様々な地域を訪れています。
2014年から、彼はオランダ海軍バンドのユーフォニアム奏者を務めています。 彼はまた、Brass Band Schoonhovenのソロ・ユーフォニアム・プレイヤーであり、チャンピオンシップ部門(2010/2011/2012/2013&2016)で5回オランダ・チャンピオンとなり、ヨーロピアン・ブラスバンド選手権(European
Brass Band Championships)に5回出場し、Eurobrass Drachten コンテストで3回優勝しています。 彼は2016年のBrass
in Concertと2013年のEurobrass Drachtenで「ベスト・ソロイスト」賞を受賞しました。
彼はこれまでにデヴィッド・ソーントン氏(David Thornton)、ニック・オスト氏(Nick Ost)、スティーヴン・ミード氏(Steven
Mead)、デヴィッド・チャイルズ氏(David Childs)、ロジャー・ボボ氏(Roger Bobo)、トーマス・リュディ氏(Thomas Ruedi)のような様々な教師のレッスンとマスタークラスを受講しています。
2013年には、王立スコットランド音楽院(Royal Conservatoire of Scotland)の客員教授を務めました。 2014年にコーリー・バンド(Cory
Band)のオランダでのコンサートツアーでゲスト・ソリストを務め、2015年にはコーリー・バンドの新しいCD「Neglected Treasures」「In
Principal」の制作にあたってソロ・ユーフォニアムを演奏するために招待されました。
この彼の最新アルバム「ヴォックス(VOX)」は、2017年にリリースされ、ブラスバンド、ファンファーレ・バンド、ウィンド・バンドと組み合わせたユーフォニアムの5つの主要な(主に新しい)作品で構成されています。
CDのタイトルは、姓のVosとその英語の翻訳であるFoxとを結びつけています。Foxは特にCDのために委嘱した作品「Les Ruses du Renard」(または「The
Fox of Tricks」)にもかかっています。
ユーフォニアムには様々な顔があるので、さまざまなアンサンブルと組み合わせてシリアスな音楽で構成されたアルバムを作りたかったとのこと。
CDには4つの新曲が含まれており、そのほとんどは特にこのプロジェクトのために書かれています。これらの作品はすべてスタイルは非常に異なりますが、それぞれが楽器の強みを発揮しています。
これらの4つの世界初演のレコーディングの他に、マルコ・プーツの「ユーフォニアムのための協奏曲」があります。ユーフォニアムとファンファーレバンド(典型的なオランダのアンサンブル)のために書かれた作品で、この作品がこれまでにこのように記録されたことはありません。
ブラスバンド、ウインドバンド、ファンファーバンドでこれらの5曲を録音することで、ユーフォニアムが提供しなければならないさまざまな「声」を示したいとフォス氏は考えているとのことです。
Youtubeの試聴を聴いてもらったほうが早いですが、豊かな音楽性、引き出しの多さとそれを支えるテクニックが存分に楽しめる見事なアルバム。
3つの異なる編成をバックにすることで、ユーフォニアムという楽器の汎用性の高さも感じられるのではないでしょうか。
すべてのユーフォニアム愛好家、クラシック音楽愛好家に聴いていただきたい1枚です。
■試聴:You Tube
■収録曲:
アンダーグラウンド・コンチェルト:クリスティアン・オーヴァヘッド
Underground Concerto: Christian Overhead
1. I. Les Voreux [7:25]
2. II. The Descent of Orpheus [7:08]
3. III. Euphoria [6:31]
4. 1963年の地獄:ヘンドリク・デボーア [11:53]
The Hell of '63: Hendrik de Boer
5. 狐のトリック:ヤン・ボスフェルト [18:23]
Les Ruses du Renard: Jan Bosveld
6. ユーフォニアムとバンドのための協奏曲:マルコ・プーツ [10:44]
Concertino for Euphonium and Band: Marco Putz
7. スピニング・ギアーズ:ヘールト・ヤン・クローン [10:24]
Spinning Gears: Geert Jan Kroon